法形競技

いわゆる型に相当する競技です。
基本的に試合で用いられるのは「体の法形」と呼ばれる分類の法形で、「旋・運・変・捻・転」の各技を主体にした五つの法形それぞれに体(陽)・陰の二種があり、全部で以下の10種類です。

基本的に体(陽)は男性用、陰は女性用です。

・旋体の法形 
・運体の法形 
・変体の法形
・捻体の法形 
・転体の法形
・旋陰の法形 
・運陰の法形 
・変陰の法形
・捻陰の法形 
・転陰の法形

躰道の法形には他にも色々な法形がありますが、少なくとも学生の試合では見られません。
他の武道との違いは、躰道の法形がいわゆる「型」とは異なり「法則にのっとり、且つ変化するもの」であるという点です。

基本的な筋は一定ですが、法形構成の法則を満たす限り、難易度を上げる(後転をバク転・バク宙にするなど)ことによる加点や、新技創作による加点(創作点)が与えられます。

個人戦の場合、2人の選手が3人の審判の前で演武し、勝敗を決します。
これに対し、団体戦の場合、5人一組が3人の審判の前で演武します。
団体法形は5人が同時に同じ法形を演武し、どれだけ揃っているか、調和がとれているか、などによって3人の審判が点数をつけ、それによってチームの順位が決まります。

実戦競技

いわゆる組手に相当する競技で、二人の選手が互いに技を出し合い、相手に技を極め、あるいは制することを目指します。

一般にイメージする「試合」といえば実戦だと思います。コートは9メートル四方、時間は場合によりますが規定では2分、判定は一本制で、KO制ではありません。

他の武道と大きく異なるのは、運足と呼ばれる歩法です。
躰道に於いては、運足を用いずに出された技は有効な技とは見なされず、一本はおろか技有りにもなりません。
運足は素早く自在で安定した移動を可能にするよう工夫された歩法で、素早い移動により、その場で打ち合った場合に生じる体格差によるハンデを避けることができます。
躰道では運足から技、そして相手の攻撃範囲外での構えまで戻って初めて一連の技と見なされ、一本を取ることができます。

5人一組の団体戦と個人戦がありますが、基本的にはどちらも同じです。
ただ団体戦の場合、各選手に1~5の背番号があり、番号に応じてポイントの上で有利になる技が決められており、作戦面での戦術も重要になってきます。

展開競技

躰道独自の競技で、6人一組の団体戦で、創作団体約束組手といったところでしょうか。

主役の一人に脇役5人が一斉に襲いかかり、30秒以内に主役が5人を倒す、という筋を作り、その筋の展開の善し悪しによって6人の審判が点数を付け、順位が決まります。
傍役の5人は各々の背番号(1~5)に応じた旋・運・変・捻・転の技を主体に攻撃し、且つ、最後の攻撃を含む3回は必ず背番号の技でなければいけません。

そうした制約条件の中で、より高度に、より密集して、より三次元的に、そして、よりギリギリの攻防を組み上げていきます。
あらかじめ筋を決めているとは言え、6人がかなり密集した状況で高度な攻防を繰り広げるため、チームの息があっていないと絶対にできません。
極めて目まぐるしい攻防が展開され、実戦ではなかなか見られないアクロバティックな動きが多く見られ、見るものを圧倒します。

躰道のもつ流麗さを具現する競技と言えるでしょう。